コンフェデレーションズカップ 日本-フランス

コンフェデレーションズカップ 日本-フランス


この試合の放送でいちばんよかったのは、後半30分、アナウンサーの発言。

「このままでは、負けです。たとえ善戦でも、負けは負け。」


前半4分、日本左サイドでの1対1のシーン、フランス競技者がボールを持っているがなかなか突破の糸口が掴めないときのサポーターのブーイング

前半8分、フランスDFが縦にボールを出す位置を探してパス回しをしているときのサポーターのブーイング

前半ロスタイム3分、カランブーのタッチライン際でのドリブルミスに対するサポーターの拍手

相手は世界王者だ。モロッコでは引き分けたとは言っても、前回の親善試合では、敵地で0-5負けしている相手だ。

南米チリ、リベルタドーレス杯を制しているコロコロなんかのサポーターでも、国際試合で例えばサンパウロやフラメンゴがやってくると、コロコロを応援に来ているのか、アウェイの彼らの技術にため息をつきに来ているのか、と思わせるようなことがあるのだ。

それを、これだけの相手に、ここまでできるようになった。日本代表も強くなったが、マスコミ、サポーターも代表に期待するようになった。全試合を通じて臆することなくよく対応した。
特に、ブーイングはよかった。正直、日本人があれだけのブーイングができるとは知らなかった。
いや、僕は感心した。これは立派なホームの試合だ。残念ながら日本は負けてしまったが、すばらしい試合だった。

強いブーイングの音を、フジテレビもよく拾って流したと思う。いい放送だった。
これなら1年後が楽しみだ。

この試合のアナウンサー、青嶋達也はよかった。ホームでカメルーンに勝ったぐらいで「大金星だ。」とか大騒ぎする長坂某とはエライ違いだ。サッカー、日本代表に対する姿勢が違う。準決勝では不可解な発言が目立ったが、今回はホームでの放送にふさわしいアナウンサーだった。


主審
全試合を通じてよくコントロールしていた。判定の一貫性、ポジショニング、まるで問題がない。ポイントポイントをしっかりおさえたレフェリングをしている。いい見本です。

A1
あまりテレビに出てこなかったが、要所要所でキビキビ動き、よくやっていたと思う。威厳あるいい副審、という印象を持った。

A2
ラインキープが非常に甘い。旗を揚げるときに体が流れる傾向にあった。ヘタクソ。


試合開始前、黙祷。

試合前のタイムスケジュールは、事前に大会規約等の形で審判団に伝えられる。
審判団にとって特に重要なのは、
・メンバー表提出の時間
・競技者の用具等の確認の時間
・試合前のセレモニーの有無
・試合開始時間
・ハーフタイムの規定
・引き分けの場合の対処(延長戦、PK戦等)
である。


以下の記述において、前半17分ごろまでは、1分前後、時間が正確でないことがある。

キックオフ時に僕は自分の時計をあわせたのだが、前半17分頃になって、テレビの時計が僕の時計よりおよそ1分進んでいることに気がついた。
前半ロスタイムの表示を第4の審判員がしたのがテレビの時計で45分55秒ぐらいだったのが見えたので、
「誤って、セレモニーの時間からテレビの時計が動き出していたのだろう。」
と、前半はあまり気にしなかったのだが(通常はロスタイム入り前後にすぐに表示される)、後半ロスタイム入りの時にもこの第4の審判員は表示を出すのがやや遅れ気味だったので、自信がなくなった。

前半の遅い時間には国際映像用の時計が表示されたが、これは国内向けの映像についた時計とほぼ同じ時間であった。

試合中に僕がストップウォッチを止めたはずはないのだが、正直何とも言えない。
フジテレビの時計が間違っていたと思うが、確信は持てない。

以下では、極力テレビの時計表示に時刻を合わせるよう努力した。


前半2分。
主審はA1の合図を確認してから、スローインの方向を指す。

前半4分。
主審はA2からの旗での合図を受けて、フランスにフリーキックを与える。
第6条 副審
任務 副審は2人任命される。副審の任務は主審の決定に従いつつ、次のことを合図する:
・違反が起きたとき、その行為に副審が主審より近いときはいつでも(特定の状況下で、違反がペナルティーエリア内で起きたときを含む)

前半5分。
センターサークル付近で主審は交錯する競技者、ボールを回避する動き。

前半14分。
フランスコーナーキック。キック前に予備のボールがゴールライン外側から転がってきて、キック後にライン上に乗る。
厳密には、予備のボールがフィールドに入った時点(ボールがゴールラインにさしかかった時点)で、主審はプレーを止め、そのボールを出してから、プレーを止めた時点でボールがあった地点からのドロップボールで試合を再開しなくてはならなかった
(プレーを止めた時点でボールがゴールエリア内にあったなら、第8条の「特別な状況」『ゴールエリア内でプレーを一時的に停止した後に試合を再開するドロップボールは、プレーを停止したときにボールのあった地点に最も近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上で行う』 の指示に従う)。

ただし、ゴール前の緊迫した状況において実際にこの条項をむやみに適用できるものではない。主審は一連のプレーのどこかで気がついたかもしれないが、実際に今すぐプレーの障害とならないならば見てみぬフリをしよう、としたことだろう。

ボールがインプレー中にこういう出来事があって試合を止めた場合はドロップボールで試合再開となるが、アウトオブプレーのときに同様のことがあった場合は、主審はその状態を取り除いてから、そのとき試合を再開する方法で試合を再開する
(グループリーグの日本-ブラジル戦前半4分のスローインの場面でそういうシーンがあった)

前半16分。
ヴィルトールのドリブルがタッチラインを割ったか微妙だったが、主審はちょっと間を置いて笛。
A1のほうを確認し、A1からの合図を見てから笛を吹いたのであろう。

前半18分。カランブーが右サイドから飛び出してスルーパスを受ける。副審は「オフサイドはない」と、旗を持っていない右手を前方に伸ばしながら走る、という方法で合図
日本-カメルーン戦、後半41分のA2の動きと比較すると、その違いが分かる。
このとき中央にいたフランスの選手はあきらかにオフサイドポジションにいたが、オフサイドの違反をしていたわけではない。
第11条オフサイド
オフサイドポジション
オフサイドポジションにいること自体は違反ではない。

前半19分。
A1が旗を揚げ、オフサイドの違反の合図。ボールは攻撃側競技者に渡ることなく、そのまま相手ゴールキーパーへ。主審はA1に旗を降ろせ、と合図。
流れを重視して試合を流した。もちろんオフサイドの違反があったところからのセットプレーで試合を再開してもよい。

前半21分。
A2に注目。副審の動作がよく分かるシーン。
自分が動く方向を予測して、体の向きを変えるたびにフィールド側の腕に旗を持ちかえている
旗がフィールド側に見えたほうが、旗を揚げたときの副審のアクションが目立つ。

前半22分。
フランス競技者の違反に対し、主審は「引っ張った。」とゼスチャー。

前半23分。
フランス陣内左コーナー角ぐらいでのプレー。主審はいい位置で笛を吹いた。
(というか、この試合の主審の位置は全部適切)

前半24分。
フランスベンチの映像で、A1がゴールからセンター方向にダッシュするのが見える
ゴールキック時の副審の基本は、
・ゴールエリア内にボールが置かれていることをタッチライン上の同一の高さから確認する
・蹴られたボールがペナルティーエリアから出たことを同一ラインから確認する
・オフサイドラインに戻る
なのだが、ゴールキックが大きく蹴り出されることが予想される場合、2番目の動作は省略され、副審はすぐにオフサイドラインに戻る。

後半30分にも、A1の同様の動きが見られる。

前半26分。
コーナーアーク付近でラインを割りそうなボールをヴィルトールが優れた身体能力で追いかける。
主審は抜かりなく、ペナルティーエリア入り口角付近からさらに近づいた位置でその一部始終を見ている。
この主審の予期能力の高さが特に分かるシーン

前半27分。
ファウルか、とも思われた場面だったが、主審はアドバンテージでもなく、「ノーファール」の合図。

前半32分。
A2オフサイドの合図。
ラインより前の位置にいた。ラインキープが甘い

前半35分。
A2オフサイドの合図。主審は不採用。
はっきりしないが、おそらくアドバンテージを採用したのだろう。

前半35分。
松田警告。反スポーツ的行為。当然。

前半36分。
続くセットプレー。日本ディフェンスはいったんラインを下げ、それから上げる、という方法で対処する。
A2はその動きにぜんぜん対応できていない。ラインキープ最悪


前半38分。
A2オフサイドの合図。このときもA2は前方の攻撃側競技者の位置にいる。ラインキープができていない

前半44分。
A2オフサイドの合図。旗を揚げる位置がおかしい。体が流れている

前半46分。
松田ファウルを取られる。松田は不服そうだが、主審の位置はよい。

ハーフタイム入り。
主審がボールを持ち、審判団が控え室に入っていくのが見える。
ハーフタイムの入り、試合終了後は主審にボールが戻る

後半3分。
主審、間接フリーキックの合図。注意を引くため、主審はちょっと長めの笛を吹いた

後半6分。
リザラス警告。おそらく遅延行為。
アツくなっているリザラスをいったん笛で呼びつけ、呼吸を落ち着かせたところで、右肘から上での動作ではっきりとイエローカードを出す。ある意味、この試合の主審最大のみどころだ。相手の呼吸をよく見て、効果的に警告している。ウマい。

後半8分。
松田プッシングの反則を取られる。松田不満そう。

後半23分。
A1オフサイドの合図。威厳がある。

後半26分。
A1コーナーキックのあと、オフサイドの合図。いい姿勢。

後半26分。
主審、ちょっと長い笛のあと、方向を指す。

後半41分。
ハンドの反則。主審は「ピー、ピピッ!」と注目されるように笛を吹き、手で合図。

後半42分。
フランスゴール前での混戦。ゴールエリア内でボールに行こうとした森島がひっかけられているようにも見えるが、何とも言えない。あれでは、PKは取りにくいだろう。


日本の失点は、まあ川口が飛び出したのに触れなかった、というのが表向きの原因なのだが。
彼のプレースタイルからしてやむを得ないと思う。
中盤から飛び出して来たヴィエラは191cmの長身。おそらく、川口にはもっと手前にヴィエラがいるように見えてしまい、ボールが出た瞬間、マークについている選手がいないことも見えて飛び出してしまったのだろう。
今後同じミスがなければいいことだ。

で、そうであるためには、なのだが。

カナダ戦、カメルーン戦の前半中頃でもそういう時間帯があったが、フラットのディフェンスラインの前提である中盤でのプレスがかからないときが日本にはまま見られた。そういうときが日本の危険な時間帯であり、結局その弱点をつかれて失点してしまった、ということがこの試合の最大の敗因だと思う。カナダ戦等では、たまたま失点しなかっただけだ。
相手FWがディフェンスの外側に逃げ出すとつかみきれなくなる、そういうときにさらに相手の中盤の選手がフリーで飛び出してくる、そういう形での失点を避けるには、どうすればいいのか。

大会中解説の風間、清水両氏が再三言っていたとおり、

「まず中盤でプレス。プレスがかかっていないときには、ラインにこだわるより、まず相手をつかむ。」

結局、これをどれだけ徹底できるかが、今後日本代表が強いチームになっていくためのひとつのカギになるのではないか、と僕は思う。
あの失点は川口の失点ではない。むしろ、ディフェンスのシステム上の不備をつかれた失点である。
(逆に言えば、相手につかませない動きを盛んにくりかえしていたフランスがそれだけ強かった、とういことなのだが)

しかし、これだけの大会でハードスケジュールの中5試合をこなし、準優勝まで行ったことはすばらしいことだろう。決勝戦後半でのフランスの消耗ぶり、試合後の喜びぶりが、この大会の大きさを物語っている。

あと、前回触れ損ねたが、横浜国際競技場の水はけ能力の高さも目を引いた。
あれだけのハードコンディションで大きな支障もなく試合ができたこと、そのことが国際映像として世界にアピールできたことは、日本のスポーツにとって大きいことだと思う。横浜国際は、来年の決勝戦の舞台となるべく作られたスタジアムなのだ。


その他、僕がいろいろ思った点。

試合終了直後、むこうがわタッチラインのほうでふたりの審判が強く抱き合っている。おそらく主審(UAE)と副審A2(ヨルダン)だと思うが。

気色悪い。いくらFIFA主催の国際大会の決勝戦だからって、やりすぎだ。

こんな審判、見たことないぞ。
イスラム圏では厳しい戒律で女の子と交流できないせいか、むやみに抱き合う男が多い。

後半のデサイーのヘディングシュートはムチャクチャ打点が高かった

解説者の清水氏はJ2仙台の監督らしいが、こんなにアルバイトしていていいのか?

ルブールが丸坊主なのはいいのだが、あの後頭部にある横一文字の傷は何だ?
金星人に手術でもされたのか?

フランスGK3人(背番号1,12,23)のキーパーグローブは、順にロイシュ、ウールスポート、ナイキ。

楢崎は、力石徹に似ている。

それから、僕が気がつかなかったけど僕の友人が気がついた重要な点

01/06/11


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