2005年09月09日

オフサイド新ルール運用の実際

最近、以下のような質問を受けました。
メールをご返送したのですが、あて先不明で差し戻されてしまったので、ウェブログに載せます。
(内容的にも問題なさそうなので。せっかく書いたし)

浦和の一点目永井選手がオフサイドだとおもっています。
詳しく言うとサントス選手のシュートのとき、オフサイドポジションにいた永井選手が、DF(大岩選手)、GK(曽ヶ端選手)を妨げているように見えるのですが。
現行のルールではどうなってるのですか。教えてもらえますでしょうか。


「サッカー審判手帳」管理人の回答は、以下。

こねこねのさいと管理人のこねです。こんばんは。
メールありがとうございます。

まず前提事項(および建前)ですが:

現在のJリーグでは、競技規則2005/2006が使われています。
以下のリンクの左側、「競技規則」を参照してください。
(僕のサイトはまだ新ルールになっていないので)
オフサイドは11条です。
http://www.jfa.or.jp/

2004/2005からの改正内容、その解説なども配布されています。
http://www.jfa.or.jp/rule/rule_new.html


---

さて、ご質問の件ですが:

> サントス選手のシュートのとき、オフサイドポジションにいた永井選手が、
> DF(大岩選手)、GK(曽ヶ端選手)を妨げているように見えるのですが。

そのとおりであれば、オフサイドとなります。
http://www.jfa.or.jp/rule/rule_new.html
の「2005年競技規則の改正」(pdfファイルです)の4ページに明記されている
とおりです。


---

さて、ここからは建前以外の話になりますが:

・日本の審判のレベルは低いです。

先日、日本の国際主審が試合中のペナルティーマークからのキックで対応を誤り、アジア予選のプレーオフが再試合になる、という大事件がありました。
この件からも分かるとおりです。
僕自身は、日本の主審はその低レベルのアジアの中では多少マシなほうだと思っていました。今回の件までは、ですが。

日本だけが低いというだけではなく、アジア全体にレベルがヒドく低いです。僕がテレビで観ていても、アジア選手権本大会などでも目を疑うような明確な対処の間違いは日常的にあります。
最近で限りなく印象に残っているところでは、2004年のアジアカップイラン-オマーン戦。2点リードされた試合でイラン側競技者同士が殴りあうなどしていたのだけど、本来2人とも退場となるべきところ、主審、近くにいた副審A2からは何のお咎めもなし。
唖然として観ていたら、ようやく翌々日の新聞に「その試合の主審が正しく競技者を処罰しなかったのでアジア連盟から罰せられた」と出た。
ちなみに、この試合、BSのアナウンサー、解説者からもそれについて何のコメントもでませんでした。
試合はその後イランが追いついて、2-2のドロー。オマーンは、グループリーグ3位となり、決勝トーナメント進出は日本、イランの上位2チームだけとなりました。もしあそこで主審が正しく対処していたら、イランは9人になってしまい、そこで試合は終わっていた。オマーンとしては、そうなれば主力を引っ込めて休ませ、決勝トーナメントを有利に戦えたかもしれない。オマーンにとっては、歴史的大誤審でしょう。


・日本の審判の世界は保守的で、頭が固く論理的思考に欠ける人が多いです。
(これは、僕自身が某藤堂府県サッカー協会の公認審判員として活動していたときの強い感想です)

なかなか風が当たらない業界であり、体力テスト、競技規則運用についてのペーパーテストなどもありますが、審判の評価はもっぱら上位審判経験者の
主観によって行われます。

かつ、上述のように日本の審判のレベルはもともと低いですし、かつてプロ意識など特に持っていない人たちがやっていたころにちょっと上でやっていただけの人たちです。
評価者としても、評価能力として適切なものを持っているかかなり疑問です。

率直に言えば、あまり頭のいい人はいないんじゃないかな、と思っています。


---

それから、競技規則改正に絡む最近の動きですが:

FIFAの年次総会(例年2月)で決められた新競技規則は、コンフェデレーションカップで試験運用され、7月からJでも運用開始になりました。

この段階でも、オフサイドの解釈には審判員それぞれにより、かなりのばらつきがあったと考えられます。

しかも、その後、「オフサイドの適用に関する新たな指示」という新しい通達が日本サッカー協会から出されています。
http://www.jfa.or.jp/rule/rule_new.html にあります。

これは本来、すでに発行している競技規則の運用に関するガイドラインですが、なぜか同文書には、この通達の「施行」の期日なるものが明記され、
(実際には運用方法の確認にしかすぎないのに「施行」に「期日」が存在することなど理屈上あり得ないと僕は思うのですが)
それがさらに下部組織ほど日付が遅くなるなどしています。

こういった通達がこんな短期間で出なければならないということからも混乱が見て取られます。
また、その混乱の遠因が日本サッカー界の最上流の部分での論理的思考の欠如とか頭の固さとなのだろうということも、容易に想像がつきます。

また、今回の競技規則の改正では、オフサイドの解釈の厳格化と、オフサイドの違反を起こした段階まで旗を揚げない、ということを徹底しているだけなのですが、「より攻撃側に有利にするために旗を揚げないようになった」等々の噂も流布されており、背景事情や改正の思想について述べた文書(「2005年 競技規則の改正」などですが)をきちんと時間をかけて読み、じっくり解釈しようとした人でないと、正しく運用できないのではないかと思っています。

そして、実際の試合でも何度か練習して、感覚をつかまなくてはなりません。

ですが、審判は基本的にアマチュアですし、普段割り当てが多く忙しい審判の方で、さらにシーズンオフに十分な練習を積む、という人はさすがにそういないでしょう。

ところで、僕自身は、自分のチームの草サッカーの練習試合などでよく笛を吹きます。
やってみて思ったのですが、新ルールは、慣れないうちは主審は相当難しいです。
従来なら、ボールが出た瞬間一瞬副審の方を向き、旗が揚がっているかどうかを確認すれば済んだのですが、新ルールでは、ボールがウラに出て、そのボールを攻撃側競技者が触れたところでまた副審の方を見なくてはなりません。
この動きが従来とまったく異なります。実際、最初の何試合かでは僕はかなりオフサイドの見落としをしました。今でも、油断してるとやってしまいそうです。草サッカーの練習試合でよかったですが

ある副審が十分に準備していたとしても、主審との試合前の打ち合わせで、よく分かってない主審があまり深く考えないままに「こういう方針でいく」
といえば、そのとおりにやるかもしれません。
(試合前の打ち合わせでは主審のやりやすいようにやるということで話がつくのが一般的)

主審が理解していても、今度は副審が分かっちゃいないかもしれません。

---

というわけで、まとめです:

僕が考えるところですが。

・今回の第11条(オフサイド)の改正は、具体的な運用方法についての混乱を引き起こしています

・協会上層部でもよく分かってないんじゃないかって思います

・協会の運用方法についてのガイドラインの伝達方法も上手だとはいえません

・1級のJ担当審判員の間でも、解釈にかなりの混乱が起こっているのだろうと考えます

・しかも、もともと日本の審判のレベルは低いです

ということで、

> サントス選手のシュートのとき、オフサイドポジションにいた永井選手が、
> DF(大岩選手)、GK(曽ヶ端選手)を妨げているように見えるのですが。

そのとおりなら、オフサイドとなるべきだと思いますが、たぶん主審がよく分かってなかったのだろうと思います。

6日付けの読売新聞スポーツ欄に、絵入りのなかなか分かりやすい記事がありましたので、もし見れるようでしたら、ご一読されるといいと思います。
(記事の内容には一部疑義がありますが)


以上のとおりです。
長文で申し訳ありません。

Posted by kone at 2005年09月09日 20:40 | トラックバック
コメント

こねさん
こんにちは!
語学から、審判まで凄い!
オフサイド、今ひとつ良くわかってなかったのですが、わかりやすい説明でありがたかったです。

私は、見て応援するだけなのですが
サッカー好きです。
ペットにも選手の名前付けちゃってます。

こねさん、船橋なんですね。
私は、松戸です。
9/18市川でガーデンレプタイルフェスタあるよ。http://www.outdoorstyle.net/tsanc/index.htm

Posted by: PITO at 2005年09月12日 18:22

PITO さん、ようこそ!

> オフサイド、わかりやすい説明でありがたかったです。

いえいえ。あとで読み直したら、誤字脱字、段落違いばかりでして...。オハヅカシイ (^^;

ガーデンレプタイルフェスタ、僕もすごく行きたいんですけど、その日湯河原に行ってていないんですよ...。
去年ヒバカリ君と出会ったところなんで、今年も何かお連れしたい、と思っております。
もう、家には空のプラケ1個用意してあります☆

そういえば、去年はほかにもクワガタ2匹捕まえたんだった。
あと、山でシマヘビ(たぶん)、道ではマムシの轢死体を見ました。

Posted by: kone at 2005年09月12日 21:57

あら!
残念です。
でも近いですから是非県内で一度お会いしましょうね。

プラケ用意されてるんですね。
よい個体?に出会えますように!!

気をつけていってらしてね。

お土産話楽しみにしてます。

Posted by: PITO at 2005年09月13日 10:18

こちらこそよろしくお願いします。
ぜひぜひお会いしたく♪

今、カナヘビの赤ちゃんも飼ってます。旅行にそなえて、蛾とかクサカゲロウとかたくさん捕まえて、ストック中です...。

たくさん食べて、大きくなーれ!

Posted by: kone at 2005年09月15日 01:34
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?